(なぜ女優は年をとると道化を演じなければならないのか 上 https://note.mu/papurika_dreams/n/n35fed0103cb3 に続きます) 先日、Twitterが藤原紀香の話題で沸いていた。彼女が久しぶりに主演したドラマがどうやらあまりに仰々しく馬鹿げた演出で、それを見た人たちが高揚しながらその内容を書き込んでいるのだ。90年代後半、彼女が人気絶頂期にナンシー関がそのやりすぎ感や古典的なまでの芸能人ぶりを非常に洗練された文章で皮肉ったことを皮切りに、藤原紀香はサブカル文脈において一貫してメタ的分析の対象であった。本人は大真面目であるが大味な芝居や時代がかったスターぶりがその恵まれた容姿とアンバランスで一層人の関心を引きなにか言わずにはいられない対象ではあった。 歌舞伎役者と結婚し、しばらく目立った女優活動をしていなかった彼女の主演ドラマはそういう私たちの期待を裏