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  • そしてみんなネオリベになった 週刊プレイボーイ連載(82) – 橘玲 公式BLOG

    2012年は民主党から自民党への政権交代で幕を閉じ、安倍政権への期待から株価は大きく上げて新しい年が始まりました。とはいえ、経済ばかりでなく外交や安全保障など問題は山積しており、波乱を予感させる年明けです。 今回の選挙の際立った特徴は、投票率が59.32%と戦後最低を更新する低さだったことです。第一党となった自民党の比例での得票率は27.62%ですから、「投票しない」という意思表示をしたひとはその1.5倍もいたことになります。 経済学では、人間が完全に合理的であれば選挙などに行くわけがない、と考えます。国政選挙では自分の1票が候補者の当落に与える影響力はほとんどゼロですから、貴重な休日にわざわざ投票所まで出かけていく費用対効果もゼロで、投票率は業界団体や宗教団体など、投票の動機が明快なひとの数で決まることになります。 実際には、投票率はこのシニカルな仮説をはるかに超えていて、「ひとは常に経

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    nankurunaisa555 2013/01/15
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  • 政治はいつもポピュリズム 週刊プレイボーイ連載(80) – 橘玲 公式BLOG

    この原稿が掲載される頃には新しい日政治の枠組みが決まっているわけですが、そもそもこの国ではどのように政策がつくられていくのでしょうか? 2006年に成立した改正貸金業法の論点は多岐にわたりますが、その趣旨は明快で、「高利貸しが多重債務者問題を引き起こし、それが年間3万人を超える自殺者を生むのだから、上限金利を引き下げて高利の貸付けを違法にするとともに、利用者が収入に対して分不相応な借金をしないよう規制すればいい」というものでした。しかしこの耳障りのいい政策には、さまざまな問題があります。 まず事実として、イギリスには金利の上限規制がありません。当事者同士が納得しているのであれば、公序良俗に反しないかぎりどのような契約も自由であるべきだと考えられているからです。イギリスで上限金利導入の議論が起きたときに、「資金を必要としているひとが借りられなくなる」と真っ先に反対したのは消費者団体でした

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    nankurunaisa555 2012/12/25
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  • 日銀の金融緩和がデフレ不況を生み出した【書評】 – 橘玲 公式BLOG

    自民党の大勝と安倍政権へのリフレ+円安期待で株価が大きく上昇している。このまま景気が回復すれば素晴らしいことだが、「そんなウマい話がほんとうにあるのか?」と疑問に思うひともいるだろう。デフレ脱却がそんなにかんたんなら、民主党政権はもちろん、小泉政権や第一次安倍政権のときにさっさとやっておけばよかったからだ。 もちろん、「金融緩和どころか金融引き締めをした日銀がぜんぶ悪い」という意見があることは知っている。これに対しては、「日銀がいくら金融緩和してもデフレからは脱却できない」とういう有力な反論があって、すでに10年以上にわたって激しい論争が続いている。 そこで、経済学者・吉佳生氏の『日経済の奇妙な常識』を紹介したい。吉氏はここで、「日銀が金融緩和(ゼロ金利政策)をしたから日経済はデフレ不況に陥った」と述べている。 吉氏は、日経済(と世界経済)のターニングポイントは1998年にある

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    nankurunaisa555 2012/12/21
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  • 日本はいつまで“アジアの先進国”でいられるのだろう? 週刊プレイボーイ連載(79) – 橘玲 公式BLOG

    インドネシアは赤道をまたいで1万8000もの島々に2億3000万人以上のひとびとが暮らす海洋国家で、公用語はインドネシア語ですが、およそ300もの民族が600ちかい言語を使っています。15世紀までは中国とインドの中継貿易で栄え、無数の王国が興亡を繰り返してきましたが、16世紀にオランダに征服され、それ以来300年間の植民地支配に苦しむことになります。 インドネシア独立は第二次世界大戦後の1949年で、歴史文化も異なるひとたちが、オランダとの独立戦争をたたかったという経験だけでヴァーチャルな国民(想像の共同体)を生み出しました。とはいえ、多民族社会が近代国家としてのまとまりを維持するためには軍政に頼るしかなく、1968年から30年間、元陸軍司令官のスハルトによる独裁が続きます。 1997年のアジア通貨危機はインドネシアを直撃し、通貨ルピアは暴落し、翌年には激しいインフレが全国で大規模な暴動

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    nankurunaisa555 2012/12/19
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  • 総選挙雑感 – 橘玲 公式BLOG

    すでにあちこちで書かれているだろうが、今回の選挙結果について感じたことをまとめておきたい。 民主党の大敗は、政権交代さえすればすべてが変わるという信念(というか妄想)のもとにパンとサーカスのマニュフェストをばらまいたツケだから仕方ないだろう。約束したパンもサーカスも与えられなければ、観客が怒り出すのは当然だ。 いまから振り返れば、最初の2人があまりにもヒドすぎた。パンとサーカスのひとたちが党を出て行ってからはすこしマシになったが、野田氏がなにをしても手遅れなのは明らかだった。 自民党の一方的な勝利は、小泉郵政選挙や前回の「政権交代」選挙と同じで、小選挙区制の制度的特徴だ。注目すべきは、今回の選挙で議会の構成が圧倒的な与党と複数の少数野党に変わったことだ。小選挙区制は制度上、二大政党制に誘導するよう設計されているから、これはきわめて不安定だ。 次の衆院選はおそらくは4年後で、自民党には党を割

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  • なんだ、エネルギー危機もなかったのか【書評】 – 橘玲 公式BLOG

    以前、川島博之氏の『「作りすぎ」が日の農業をダメにする』を紹介したが、ここではエネルギー問題について“常識の嘘”を暴いた『電力危機をあおってはいけない』を取り上げたい。 システム分析を専門とする川島氏は、マクロのデータから世間一般の常識を覆す“コロンブスの卵”的な結論を導き出す。それはとても説得力があって、「なんでこんなことに気がつかなかったんだろう」と不思議に思うほどだ。 書の主張は、端的に1行で要約できる。 「人口が減れば、電力消費も下がる」 日は2005年前後を境に人口減少社会に移行し、2015年からは世帯数も純減に転ずる(これまでは独居世帯の増加で人口減でも世帯数は増加していた)。その影響を考えれば、30年ほどで原発からの電力供給は必要なくなる。「卒原発」は荒唐無稽でもなんでもない。 もちろん、「そんなのは机上の計算で、将来、エネルギー資源が枯渇したらどうなるのか?」という批

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    nankurunaisa555 2012/12/14
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  • 【書評】職業としてのAV女優 – 橘玲 公式BLOG

    コラムとして書いた原稿ですか、「面白いけど、うちではちょっと……」といわれてしまったので、BLOGにアップします。 ********************************************************************** フリーライター中村淳彦氏の『職業としてのAV女優』は、アダルトビデオの現場で起きていることはすべて、需要と供給の市場原理で説明できることを教えてくれる。 21世紀に入ってからのAV業界の大きな変化は、供給の爆発的な増加だ。かつてAV女優になるのは、家庭などに複雑な事情のある女の子たちだった。それが今では、インターネットに「モデル募集」の広告を出すだけで、AV女優志願者がいくらでも集まるのだという。 自分の性を晒すことに抵抗がなくなったこともあるだろうが、中村氏は、いちばんの理由はデフレ不況だという。 最近のAV女優の典型は、地方から東京

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    nankurunaisa555 2012/12/05
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  • 遺伝と環境から「幸福」を考えるということ 【書評】『遺伝マインド』 – 橘玲 公式BLOG

    『遺伝マインド』は、日における行動遺伝学の第一人者である安藤寿康氏が、「遺伝子」についての正しい理解の重要性を初心者にもわかりやすく書いただ。 「遺伝マインド」とは、「人間の心や行動、そして社会の成り立ちや人間と自然の関係について考えるとき、そこにつねに遺伝の影響があることをふまえて考えようとする姿勢や態度のこと」だ。ここで述べられているのは人間観や社会観(世界観)のコペルニクス的転換で、今日、遺伝の影響を無視して哲学や道徳、人間や社会について語ることはできない。 安藤氏によると、「遺伝マインド」は次の3点にまとめられる。 遺伝現象は個々の「遺伝子」の単独プレイによるのではなく、多数の「遺伝子たち」の協同プレイによる現象である。 遺伝現象は環境を介してあぶり出されてくる。 社会は多様な遺伝子たちによってつくられている。 これらは、すこし考えてみれば当たり前のことばかりだ。 「エーススト

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    nankurunaisa555 2012/11/28
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  • 世界の秘密はすべて解けてしまった – 橘玲 公式BLOG

    新刊『不愉快なことには理由がある』から、PLOLOGUE「世界の秘密はすべて解けてしまった」の冒頭部分を掲載します。 *********************************************************************** 私たちの感情は、幸福や哀しみも、愛や憎しみも、歓喜や絶望もすべて科学的に説明できるといわれたらどう思うでしょう? 政治も経済も、独裁や戦争や虐殺ですら、この世界で起きているすべてのことはその理由が解明されていたとしたらどうでしょう。 あるいは、社会学や経済学だけでなく、心理学や哲学、文学に至るまで、人文・社会科学と呼ばれていた学問は、すべて科学の統一原理によってまとめられることを知っていましたか? じつはこれは、SFの世界の話ではなく、すべて現実に起きていることです。より正確には、「こころとはなにか」が科学によって解明できるようにな

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  • 『不愉快なことには理由がある』発売のお知らせ – 橘玲 公式BLOG

    こんにちは。新刊のお知らせです。 集英社から、『不愉快なことには理由がある』が発売になりました。Amazonでは今日の夕方から出荷が始まります。発売日は26日(月)ですが、都内の大手書店では明日から店頭に並びはじめると思います。 『週刊プレイボーイ』の連載「そ、そうだったのか!? 真実のニッポン」を再編集したうえで、長いプロローグとエピローグを加えて一冊にまとめたです。 表紙は、藤子不二雄Ⓐ先生のご好意により、『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造氏に登場していただきました(そのうえ喪黒氏の“推薦文”!付きです)。 書店で見かけたら、手にとっていただければ幸いです。 橘 玲

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  • [橘玲の世界投資見聞録] 香港で目の当たりにした“プライベートバンクの終わり” – 橘玲 公式BLOG

    最近忘れていたので、まとめて告知をアップします。 香港で目の当たりにした“プライベートバンクの終わり” かつてはあんなにきらきらしていたのに、香港のプライベートバンカーもすっかりショボくなってしまった、という話です。 それにしても、リーマンが保証した仕組み債を買った日富裕層はどうなったのでしょう? 香港島・中環のプライベートバンクの応接室から九龍を眺める

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  • [橘玲の世界投資見聞録] マレーシア・クアラルンプール、デカダンでデラシネな華僑の生き方 – 橘玲 公式BLOG

    クアラルンプールで知り合った華僑(大富豪の孫)の話です。 マレーシア・クアラルンプール、デカダンでデラシネな華僑の生き方 名前は変えてますが、ほとんど実話です。彼の話を聞いて、華僑がどんな考え方をしているのかなんとなくわかりました。 クアラルンプール、ブッキ・ビンタンにある中華料理の屋台街

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  • 「自分を中心に世界が回っている」という妄想 週刊プレイボーイ連載(75) – 橘玲 公式BLOG

    石原慎太郎氏が東京都知事を辞職し、新党を結成して次期衆院選に臨むことになりました。 石原氏は80歳、共に新党を結成する予定の「たちあがれ日」代表の平沼赳夫氏は73歳です。別に「年寄りだからダメだ」というつもりはありませんが、バラク・オバマが51歳、イギリスのキャメロン首相が46歳であることを考えると、「年寄りの冷や水」という言葉がどうしても頭をよぎります。 多くのひとが指摘しているように、石原氏が国政復帰を決断したのは、長男の伸晃氏が自民党総裁選に惨敗したからでしょう。息子の出来が悪いと親がしゃしゃり出てくるのはどの世界も同じです。 「老後」というと、私たちは孫の世話が生きがいの悠々自適を思い浮かべます。これは無意識のうちに、サラリーマンの人生を前提としているからでしょう。 日のサラリーマンは「終身雇用」といわれていますが、60歳や65歳で定年を迎えるのですから、これは日語として間違

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    nankurunaisa555 2012/11/19
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  • 遺伝は性格に影響するが、家庭を調べてもなにもわからない 週刊プレイボーイ連載(74) – 橘玲 公式BLOG

    『週刊朝日』に掲載されたノンフィクション作家・佐野眞一氏の「ハシシタ 奴の性」が大問題になり、編集部は橋下大阪市長に謝罪のうえ連載の中止に追い込まれました。「橋下徹のDNAをさかのぼり、性をあぶり出す」という表紙コピーなど、出自が性格を決めるととられかねない表現があったことが批判を浴びた理由です。 これはたいへん微妙な問題ですが、遺伝が知能や性格にどの程度影響を与えるかは、行動遺伝学という学問によって科学的に検証され、ほぼ答えが出ています。こうした研究が可能になるのは、世の中に一卵性双生児と二卵性双生児がいるからです。 一卵性双生児は、受精したひとつの卵子が途中でふたつに分かれてそれぞれが1個体になったのですから、2人はまったく同一の遺伝子を持っています。それに対して二卵性双生児はふたつの卵子が別々に受精したものですから、遺伝的にはふつうの兄弟姉妹と変わりません。 一卵性双生児と二卵性

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    nankurunaisa555 2012/11/12
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  • 同和地区を掲載することは「絶対に」許されないのか? – 橘玲 公式BLOG

    「ハシシタ 奴の性」について、『週刊朝日』に編集長の「おわび」が掲載された。今後は第三者機関が記事掲載の経緯を検証し、結果を公表するという。結論が出るまでにはかなり時間がかかるだろうが、今後の議論の参考に事実関係を整理しておきたい。 最初に、以下のことを断わっておく。 「ハシシタ 奴の性」は、出自や血脈(ルーツ)を暴くことで橋下市長を政治的に葬り去ることを目的としている。だからこれは、ノンフィクションというよりもプロパガンダ(政治的文書)だ。 記事のこうした性格を考えれば、橋下市長が、記者会見での回答拒否を含むあらゆる手段を行使して『週刊朝日』に謝罪と連載中止を求めるのは当然だ。一連の行為が正当かどうかは、今後、有権者が判断すればいいことだ。 著者である佐野眞一氏の、「両親や、橋下家のルーツについて、できるだけ詳しく調べあげ」るという手法に反発したひとは多いだろう。私もこうした手法には

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  • 第22回 不思議な縁もある無縁社会(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    前回、母が入院したことを書いた。今回も、その時の話だ。 病院のフロアの一角に、自販機と電話、椅子が数脚置かれた談話室があった。私はそこで、面会の許可を待っていた。 談話室の中央に机がひとつ置かれていて、そこで病院のスタッフが見舞客と話をしていた。見舞客は高齢の女性と、それよりすこし若い男性で、最初は姉弟だろうと思った。 患者は脳梗塞で倒れたらしく、一命は取り留めたものの重い障害が残り、1人で生活するのは無理なようだった。かといって介護施設ではない病院に長く入院させることはできず、スタッフが転院先を探しているのだが、すぐに見つかるかどうかわからない。そこで、いったん退院させた後に、受け入れてくれる施設が見つかるまで、しばらく自宅で面倒を見てもらえないかという相談だった。 最初は、よくある話だと思った。高齢者の介護は、どこの家庭でもこれから大きな問題になっていく。 だがそのうち、会話が噛み合っ

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  • “大誤報”なんてぜんぜん珍しくない 週刊プレイボーイ連載(73) – 橘玲 公式BLOG

    山中伸弥京都大教授のノーベル医学生理学賞受賞に日じゅうが湧くなかで、iPS細胞を使った世界初の臨床実験の“大誤報”もたいへんな騒ぎになっています。しかし、マスメディアの誤報というのはそんなに珍しいものなのでしょうか。 そんなことを考えていて思い出したのが、2009年1月に世を騒がせた「かんぽの宿」問題です。かんぽの宿は簡易保険加入者のための宿泊施設でしたが、赤字経営の恒常化で小泉―竹中時代の郵政民営化で売却対象とされ、日郵政の西川善文初代社長(元三井住友銀行頭取)のときに、土地・建物と従業員の雇用継続込みでオリックス不動産に109億円で事業譲渡されることが決まります。 しかしその後、麻生内閣の鳩山邦夫総務大臣が、「2400億円もかけて取得した施設を109億円で売るのはおかしい」といい出し、それを機に、当時、総合規制改革会議議長だった宮内義彦オリックスグループCEOに国の大切な資産を安売

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  • なんだ、“食糧危機”はウソだったのか【書評】 – 橘玲 公式BLOG

    すこし前のだが、川島博之氏の『「作りすぎ」が日の農業をダメにする』を紹介したい。 川島氏はシステム分析の専門家で、糧問題やエネルギー問題など、利害関係者の思惑によって議論が錯綜するやっかいな問題について、マクロのデータを冷静に分析したうえで現状を把握し、未来を予測することの重要性を強調する。書は、『「糧危機」をあおってはいけない』や『「料自給率」の罠』とともに、”糧自給率”や“糧安全保障”といった言葉に踊らされる日国内の議論がいかに不毛なのかを、国連糧農業機関(FAO)や国連人口局、世界銀行などの公開データを基に徹底的に暴いていく。 1950年に25億人だった世界の人口はその後爆発的に増加し、2011年には70億人に増えた。それと同時に、農業における科学技術革命によって1950年頃から米や小麦、トウモロコシなど穀類の単収が急増し、豚肉、鶏肉など肉の生産量も大幅に伸びて

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    nankurunaisa555 2012/11/09
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  • 週刊朝日は謝罪すべきではなかったし、連載を続けるべきだった | 橘玲 公式サイト

    出版の世界の片隅にいる者として、ノンフィクション作家・佐野眞一氏が『週刊朝日』に書いた「ハシシタ 奴の性」と、その後の出版社の対応について思うことを述べておきたい。 いまから20年ちかく前のことだが、私はその頃小さな出版社に勤めていて、屠場労組の主催する糾弾の場に出たことがある。当時の糾弾というのは、十数社の新聞社・出版社の幹部や編集責任者が一堂に集められ、100人あまりの組合員の前で差別表現を謝罪するというものだった。 典型的な差別表現は「士農工商」「屠殺」「屠所に引かれる羊のように」で、こうした言葉を注釈なしに使った出版社は「差別に対する意識が足りない」として謝罪を迫られた。このとき会場を埋め尽くした組合員から、「お前は踏まれた者の痛みを知っているのか!」などと怒号を浴びるのが“糾弾”の由来だ(もっともこうした糾弾は70年代がもっとも激しく、私が参加したときはかなり形骸化していた)。

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  • 尖閣問題で、海外メディアは日本に対して予想以上に厳しい | 橘玲 公式サイト

    上海で反日デモが猛威をふるった9月半ばから昨日まで、香港やシンガポールなどを回った。忘れないうちに、海外メディアの論調で気づいたことをメモしておく。 1)日国内で尖閣諸島が日固有の領土だとされているのと同じように、中国や香港、台湾では「釣魚島」は中国固有の領土で、日によって不法占拠されているというのが常識で、日の主張は一顧だにされていない。日では「中国共産党の偏った歴史教育」が原因といわれるが、香港や台湾中国教育制度とは切り離されており、表現・報道の自由も保障されているのだから、共産党の一党独裁が終わったとしても、日の主張が受け入れられてこの問題が解決することはない。 2)中立系の香港の英字新聞では、日系企業や日系の店舗への暴力行為はChina Riskとして批判的に報じられているが、反日デモの責任は日政府にあるとされている。 3)中国と距離のあるシンガポールでも、メディ

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