国会で安倍晋三首相らが、「存在しない」と言い切った文書を“漏えい”したとして、1人の幹部自衛官が理不尽な取り調べと配置換えを受けた「自衛官情報漏えいえん罪事件」。“漏えい”したとされるのは、自衛隊の河野克俊統幕長が2014年12月に訪米した際の米軍幹部との「会談記録」です。被害者で、国に損害賠償を求めている現職自衛官、大貫修平3等陸佐(43)が15日、さいたま地裁での裁判後に本紙の取材に応じました。 「防衛省の自分の机を捜索された時、警務隊の副隊長から『これは官邸マターなんだからな、ちゃんと真面目に受けてくれ』と言われました。その時は脅しかと思ったのですが、その1カ月後の取り調べで『行政府の長が激怒しているんだ』と言われ、安倍首相のことだと思いました」 戦争法(安保法制)案が与党内でも具体化していない時期にもかかわらず、会談記録には「与党の勝利により(戦争法は)来年夏までには終了するものと