欧米だけでなく、アジア諸国と比較しても賃金、物価ともに低水準な日本。先進各国では上がっている実質賃金も、日本ではこの30年間ほとんど上がっておらず、訪日外国人が増えた理由として、「物価が安い」ことが挙げられるようになりつつあるという。日本は世界的に見てどんどん「安い」国になっていると言わざるを得ない現状だ。では、一体どうすればこの状況を打破できるのか。 経済評論家として活躍する加谷珪一氏の著書『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』を引用し、日本経済の現状、そして打開策について紹介する。 ◇◇◇ 手取り14万円 終わっているのは日本かお前か 通貨の過剰発行など金融的な理由でインフレ(物価上昇)が発生するケースもありますが、基本的に物価というものは経済成長と連動しており、経済が拡大すると、それに伴って上昇します。逆に言えば、経済成長が実現できていない国は、賃金も物価もなかなか上昇