宮城県塩釜市沖に浮かぶ桂島の土手に植えられたニホンズイセン。今月初め、開花し始めた=宮城県塩釜市で2012年3月2日午後1時57分、春増翔太撮影 東日本大震災の被災者を励まそうとボランティアらが花などを移植する活動に、東北大の河田雅圭教授(進化生態学)が警鐘を鳴らしている。植物の種類や植え方によっては、その土地の固有種を脅かす恐れがあるからだという。河田教授は「善意からの移植で、被災者も喜ぶ。でも注意を呼びかけておかないと、意図せず生態系を壊してしまう可能性がある」と話している。 宮城県塩釜市の沖合に浮かぶ桂島。島内にある二つの集落を結ぶ道路の脇に昨秋、約1万5000株のニホンズイセンの球根が植えられた。山梨県の園芸家らが、早春に咲くニホンズイセンを植えたのは「一足早い春を被災者に感じてほしい」と願ったからだ。 ただ、桂島など浦戸諸島の動植物を研究している河田教授は、こう指摘する。「ニ