大型トラックは、大卸のトレーラーヒットに横付けされ、横面扉が開いて、荷を下ろす。だが、豊洲の設計者は、コンビニなどを回っている一般的なトラックのように、縦付けして、後ろの扉を開き、荷を下ろすものと思い込んで設計していた。 築地市場の積み下ろし作業のスペース。かつて貨物列車のホームだった名残でわずかに湾曲している ©文藝春秋 また、排水溝が設計ミスで浅く、詰まりやすいという声もあった。 「大量の水で魚の血や鱗を洗い流すことができないようでは衛生を保てないのに……」(仲卸業者・男性Bさん) 市場の命は水だ。築地では真水と海水で流し清め、排水し続け、食の衛生を守ってきた。だが、豊洲は水を大量に使えば、構造上の不備で排水は詰まり、さらにはカビが出てしまう。大変なジレンマだ。 駐車場の数が圧倒的に足りない アクセスの点でも、問題は広がっている。 最寄り駅はゆりかもめの市場前だが、始発でも競りの時間に