青森県や岩手県などで信仰されている屋敷神「オシラサマ」。最近では、オシラサマを遊ばせる家も少なくなった(写真:Aya Watada、以下同) イタコとは、青森県に実在する女性の霊媒師だ。イタコにはさまざまな役割があるが、広く知られているのは、ホトケ(死者)の魂を降ろして憑依させ、ホトケの言葉を自らの口を通して伝える「口寄せ」だろう。 昭和40年代、50年代の最盛期には、南部地方だけで数十人のイタコがいた。夏と秋に開催される恐山(おそれざん)の大祭の際には、口寄せの順番を待つ相談者で長い行列ができた。だが、高齢化が進んだこともあり、常時活動しているイタコはわずか4人に過ぎない(青森県いたこ巫技伝承保存協会が歴史的伝統的イタコと定義している人数)。 しかも、本来の姿とも言える目の不自由なイタコは、90歳になる中村タケさんただ一人である。絶えつつあるイタコ文化を写真とともに綴る。 (篠原匡:作家
