医療は「健康」「生死」という人間の根本を取り扱うサービスです。人々が健やかに生きるためには、医療はなくてはならない必須のサービスです。ですから、いずれの国においても医療を適切に提供することが国の最重要課題の1つとなります。しかし、各国の歴史、国民性、経済情勢等、さまざまな要素が絡まって、医療の提供のあり方には、それぞれの国の独自性が強く出るものでもあります。 以下、日本と、人口、経済の規模と発展段階、社会状況等の面で近しい状況にある、英国、ドイツ、フランス、米国を取り上げて、各国の医療の仕組みを比べてみたいと思います。 わが国の公的医療保障の方式は、利用者である国民がいずれかの公的医療保険に加入し、利用者とその勤務先企業等が保険料を支払い(労使拠出)、支払われた保険料を主な財源として(実態的には税金も投入されていますが)、利用者が病気、ケガ等に見舞われた時に、医療機関の医療サービスという保
