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ブックマーク / www.nli-research.co.jp (17)

  • 中国の不動産バブル-日本のバブル崩壊の経験だけで類推するのは危険

    中国不動産不況がなかなか底打ちしない。GDP統計を見ると、不動産業は2022年に前年比5.1%減と落ち込み、2023年(1-9月累計)も同0.9%減と2年連続のマイナス成長となりそうである。そして住宅販売(面積)は直近ピーク(2021年)の6割前後にとどまり、恒大集団(負債総額およそ48兆円)や碧桂園(負債総額およそ27兆円)といった巨大な不動産デベロッパーが相次ぎ経営危機に陥り、これを受けて新規着工は直近ピーク(2019年)の半分以下で低迷している。 こうした中国不動産市場の現状はバブル崩壊に見舞われた1990年代の日と似ている面がある。第一に住宅が一般庶民の手に届かない水準まで高騰したことである。東京都発行の「東京の土地」によれば、東京都区部の住宅価格は1989年に年間所得の15.8倍と高騰していたが、上海市の住宅価格も中国国家統計局が発表したデータを元に筆者が推計したところ年間所

    中国の不動産バブル-日本のバブル崩壊の経験だけで類推するのは危険
    neco22b
    neco22b 2023/12/27
    せやな
  • 米雇用統計(23年5月)-雇用者数が市場予想を大幅に上回る一方、失業率が市場予想を上回る上昇とまちまちの結果

    6月2日、米国労働統計局(BLS)は5月の雇用統計を発表した。非農業部門雇用者数は、前月対比で+33.9万人の増加1(前月改定値:+29.4万人)と+25.3万人から上方修正された前月を上回ったほか、市場予想の+19.5万人(Bloomberg集計の中央値、以下同様)も大幅に上回った(後掲図表2参照)。 失業率は3.7%(前月:3.4%、市場予想:3.5%)と前月から+0.3%ポイント上昇したほか、市場予想も上回った(後掲図表6参照)。労働参加率2は62.6%(前月:62.6%、市場予想:62.6%)と前月、市場予想に一致した(後掲図表5参照)。

    米雇用統計(23年5月)-雇用者数が市場予想を大幅に上回る一方、失業率が市場予想を上回る上昇とまちまちの結果
  • 女性も軍隊に、なぜ韓国では「女性徴兵論」が浮上したのだろうか?

    最近韓国では「女性徴兵論」に対する議論が白熱している。今年の4月19日に青瓦台(大統領府)のホームページには「男性だけでなく、女性も兵役に就くべき」と訴える国民請願が掲示され、29万人以上が賛同した。請願の内容は次の通りである。 「出生率の低下と共に韓国軍は兵力の補充に大きな支障が生じています。その結果、男性の徴兵率は9割近くまで上昇しました1。過去に比べて徴兵率が高くなったことにより、兵役には不適切な人員さえも無理やりに徴兵の対象になってしまい、軍の全体的な質の悪化が懸念されるところです。これに対する対策として、女性も徴兵の対象に含め、より効率的に軍を構成すべきだと思います。すでに将校や下士官候補として女性を募集していることを考慮すると、女性の身体が軍の服務に適していないという理由で女性を兵役の対象にしないことは言い訳にしか聞こえません。さらに、現在は過去の軍隊とは異なり、近代的で先進的

    女性も軍隊に、なぜ韓国では「女性徴兵論」が浮上したのだろうか?
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    neco22b 2023/03/27
  • 台湾問題で押さえておきたい中台の経済関係

    ■要旨 台湾問題が世間で広く注目されるようになった。周知のとおり台湾有事のリスクは数十年前から高かった。しかし、中華人民共和国が台湾に軍事侵攻した場合、日はどうしたらよいのか、どんな備えが必要なのか、日人ひとりひとりが真剣に考えるようになったのは、今回が初めてではないだろうか。ロシアウクライナに軍事侵攻したことで現実味が増したからだろう。台湾問題を議論する上では「一国二制度」や「軍事パワーバランス」の在り方に加えて、世界が台湾に依存し過ぎた半導体製造など経済安全保障上の問題もある。そこで稿では、その根底にある中台の経済関係を紹介することとした。そして台湾の経済構造、台湾中国土の貿易関係、投資関係、人的交流に関する情報を概説している。 ■目次 1――台湾問題を考える上で押さえておきたい中台の経済関係 2――台湾の経済構造~外需依存体質で、内需はやや弱く、製造業に強み 3――台湾

    台湾問題で押さえておきたい中台の経済関係
  • 中国経済の現状と2023年の注目点-新指導部はどんな財政・金融・コロナ政策を打ち出すのか

    ■要旨 中国国家統計局は10月24日、2022年7-9月期の国内総生産(GDP)を発表した。経済成長率は実質で前年同期比3.9%増と4-6月期(同0.4%増)を大幅に上回った(左下図)。前四半期には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で失速したが、今四半期はそこから持ち直した。一方、22年1-9月期のインフレについては、工業生産者出荷価格(PPI)が前年同期比5.9%上昇したものの、消費者物価(CPI)は同2.0%上昇と低位で安定していた。 需要別の寄与度を見ると、最終消費は+2.1ポイントと前四半期の▲0.84ポイントからブラス寄与に転じた。総資形成(≒投資)は+0.8ポイントと前四半期の+0.27ポイントからプラス寄与が若干増えた。純輸出は+1.1ポイントと前四半期の+0.98ポイントからプラス寄与が若干増えた。前四半期には消費が落ち込んだため、今四半期はその反動もあって消費

    中国経済の現状と2023年の注目点-新指導部はどんな財政・金融・コロナ政策を打ち出すのか
  • 韓国の新規感染者数が初の4000人超え-なぜ、韓国では新規感染者数が増加し続けているのか?

    韓国の11月23日現在の新型コロナワクチン接種率は1回目が82.4%、2回目が79.1%で、日の78.6%と76.4%を上回っている。さらに、3回目の接種(ブースター接種)率も4.1%に達する。ワクチンの接種率は日とほぼ変わらないのに、なぜ韓国では新規感染者数が増え続けているのだろうか。 まず、最初の原因として考えられるのが接種された新型コロナワクチンの種類だ。新型コロナワクチンの確保に出遅れた韓国政府は、今年の2月3日にファイザー社製のワクチンを特例承認(正式に承認されるまでには医療従事者に限って接種が行われた。正式承認は3月5日)し、その後2月10日にはアストラゼネカ社製のワクチンを、続いて4月7日にはヤンセンファーマ社製のワクチンを、そして5月21日にはモデルナ社製のワクチンを次々と承認した。 その結果、2月26日から始まった新型コロナワクチンの接種は高齢者を対象にアストラゼネカ

    韓国の新規感染者数が初の4000人超え-なぜ、韓国では新規感染者数が増加し続けているのか?
  • 日本が韓国の新型コロナウイルス対策から学べること──(3)情報公開

    国内で確認された新型コロナウイルスの感染者数が1万人を超えた。東京だけでも4月19日時点で3000人を超えるなど感染拡大の勢いが止まらない。マスコミでは感染者がこのまま増加すると、日は医療崩壊の危機に直面する恐れがあると連日報道しており、国民の不安は高まっている。 マスコミは感染者数の統計を繰り返して報道しているものの、主に報道されているのは東京の1日の感染者数で、日全体の現状を把握することが難しい。さらに、感染者数とともに検査数を報道していないので、感染者数だけを見てもなぜ前日に比べて感染者数が増減したのか分かりにくい。もちろん、1日の検査数を前日に比べて減らすと、1日の「確認された」感染者数は減ることになる。限られた情報下では政府やマスコミが発表する「確認された」感染者数だけを聞いて一喜一憂することしかできない。この「確認された」感染者数の詳細については厚生労働省のホームページから

    日本が韓国の新型コロナウイルス対策から学べること──(3)情報公開
    neco22b
    neco22b 2020/05/06
    “無症状の場合には自己隔離対象者として指定し、自宅等で2週間自己隔離をさせている”抑え込みができている国は濃厚接触者は検査有無・結果関係なく隔離させている。
  • 韓国における無償保育の現状や日本に与えるインプリケーション

    ■要旨 韓国では2013年3月から0~5歳児の全所得層を対象に無償保育が実施されている。韓国政府が養育手当を拡大するなど無償保育を実施した目的は、子育て世帯の養育費などの経済的負担を減らし、出生率を引き上げるためである。 しかしながら韓国政府の努力にもかかわらず、2018年時点の合計特殊出生率は0.98(暫定値)で、過去最低値であった2017年の1.05を下回ることが予想されている。また、最近の分析結果では、無償保育の導入以降、高所得層世帯(所得上位20%)と低所得層世帯(所得下位20%)の間の私的養育費の支出の差が拡大した。 韓国パネル調査を用いた分析結果では非勤労所得の増加は所得効果を発生させ、女性の就業率低下につながったという分析結果も出ている。 日は2019年10月から無償保育の一部がスタートする。韓国における無償保育の現状や課題を研究し、より有効な政策を実施する必要があるだろう

    韓国における無償保育の現状や日本に与えるインプリケーション
  • シンクタンクならニッセイ基礎研究所

    労働需給が極めて逼迫している中で、相対的に労働環境の厳しい物流の現場では、特に人手の確保が喫緊の課題となっている。 物流の現場における深刻な人手不足は、物流業務に関わるコスト(以下、「物流コスト」という)を押し上げている。物流コストの上昇に対し、企業は有効なコスト削減策を講じなければならない。その際には、物流施設の立地や役割等を見直すことも必要となる。 稿では、物流施設開発および投資に大きな影響を及ぼす物流コストの現状と今後の方向性について考察する。 1|物流コストの内訳 物流コストは、大きく「輸送費」、「荷役費」(流通加工、ピッキング、仕分などを行う費用)、「保管費」、「包装費」等で構成される。 日ロジスティクスシステム協会「物流コスト実態調査(2016年度)」によれば、物流コストに占める割合は、「輸送費」(56.0%)が最も大きく、次いで「保管費」(17.2%)、「荷役費」(15.

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    neco22b 2018/05/29
  • シンクタンクならニッセイ基礎研究所

    1―家計貯蓄率がマイナスに 2013年度の家計貯蓄率は、現在統計が利用可能な1955年度以降で初のマイナスとなった。かつて日の家計貯蓄率は国際的に高いことで知られていたが、高齢化の影響もあって1970年代半ば頃から低下傾向が続いてきた。現行基準の国民経済計算でみると家計の貯蓄率は1994年度の11.8%から2013年度にはマイナス1.3%まで急低下[図表1]、貯蓄額は1994年度の36.1兆円から13年度の▲3.7兆円まで39.8兆円の急減少となった。 貯蓄=所得-消費で表されるため、所得の減少、消費の増加が貯蓄の減少要因となる。ここで、1995年度以降の家計の貯蓄減少を消費要因と所得要因に分けてみると、消費の増加による部分が▲19.2兆円、所得の減少による部分が▲20.6兆円と両者がほぼ同額となっている。ただし、経済成長を前提とすれば消費が増加することは当然である。1995年度から20

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    neco22b
    neco22b 2017/03/06
  • 「人口減少=低成長」ではない~日本経済再浮上の第一歩は悲観論の払拭 | ニッセイ基礎研究所 経済研究部   経済調査室長 斎藤 太郎 (さいとう たろう) 研究・専門分野 日本経済、雇用

    の人口はすでに減少局面に入っており、このことが経済成長率の低迷をもたらしているとの見方は根強い。しかし、日の経済成長率の低下に大きく寄与しているのは人口増加率の低下よりも一人当たりGDPの伸び率低下である。 実質GDP成長率を人口増加率と一人当たりGDPの伸び率に分けてみると、人口増加率は1970年代の1%台から1980年代が0.6%、1990年代が0.3%、2000年以降が0.0%(人口のピークは2008年)と徐々に低下しているが、変化のペースは緩やかである。これに対し、一人当たりGDPの伸びは1980年代の3.7%から1990年代が1.2%、2000年以降が0.8%と大きく低下している(図1)。 人口増加が一国の経済成長にプラスに寄与することは間違いないが、人口増加率は一人当たりGDPの伸び率と連動しない。実際、OECD加盟国(34カ国)における1990年以降の人口増加率と一人当

    「人口減少=低成長」ではない~日本経済再浮上の第一歩は悲観論の払拭 | ニッセイ基礎研究所 経済研究部   経済調査室長 斎藤 太郎 (さいとう たろう) 研究・専門分野 日本経済、雇用
    neco22b
    neco22b 2017/01/12
    いま、先進国で壁にぶつかっているのは人口より資本財の配分。共産主義はうまくいかなかったが資本主義1本も崩壊しつつある。あるていど、両方の手法を混ぜて上手いことやるしかないような?
  • 所得8倍でも無くならない経済問題~ケインズの誤算~

    ケインズは、大恐慌さなかの1930年に、「我々の孫たちの経済的可能性」(John Maynard Keynes, “Economic Possibilities for our Grandchildren” (1930))というエッセイを書いており、先進諸国の生活水準は百年後には1930年当時の4倍から8倍程度になっているはずで、一日3時間も働けば生活に必要なものを得ることができるようになるだろうと予想していた。著しい経済発展を遂げた19世紀が終わり、多くの人は、生活は改善しなくなり英国が衰退すると考えているが、間違いだと述べている。大恐慌で多くの人が生活することもままならない中で、ケインズの予想を信じた人がどれだけいたのだろうかと思うが、統計で確認してみると、この予想は正しかった。むしろ慎重すぎたとも言えるほどだ。 例えば、アメリカの一人当たり実質GDPを見ると2014年には1930年の

    所得8倍でも無くならない経済問題~ケインズの誤算~
    neco22b
    neco22b 2015/08/21
    先進国での若者の失業率についての説明にはなっていないような?
  • 団塊世代の退職による労働市場への影響~「2012 年問題」から考える超高齢社会における働き方

    ■見出し 1――はじめに 2――労働市場の「2007年問題」を振り返る 3――2012年以降の展望 4――高齢者がより長く働く社会の実現に向けて ■introduction 1947年から1949年に生まれた団塊世代は2012年に65歳を迎える。団塊世代が60歳に到達し始めた2007年以降、大量の退職者が発生し深刻な人手不足をもたらすことが、労働市場の「2007年問題」として注目されていた。しかし、定年の引き上げ、勤務延長制度、再雇用制度を導入した企業が増えたことからその影響は当初想定されていたよりは小さかった。一方、団塊世代の多くが労働市場にとどまったことで、2012年以降の影響が大きくなる可能性がある。 団塊世代の退職者数は2007年から2011年までの5年間で134万人だったが、年齢毎の労働力率が現在と変わらなければ、2012年から2016年までの5年間で158万人へと増加する。また

    団塊世代の退職による労働市場への影響~「2012 年問題」から考える超高齢社会における働き方
  • 韓国の失業率は本当に低いのか?

    ■見出し 1--------低すぎる韓国の失業率 2--------韓国の失業率が低い理由 3--------失業率を正しく比較・分析するには ■introduction 2008年9月に端を発したリーマン・ショックの影響で世界経済は大きく落ち込み、アメリカを含めた世界の雇用情勢は厳しい状態が続いた。OECD加盟国における最近(2010年)の平均失業率は、1年以上の長期失業者の増加により急上昇し8.5%まで上昇した。一方、同時点における韓国の失業率は3.8%でノルウェー(3.7%)を除いて最も低く、最近は平均3~4%水準を維持している(日5.3%、図表-1)。韓国における失業率が最も高かった時期は、アジア経済危機以後の約2年間で、1998年と1999年における失業率はそれぞれ7.0%と6.3%であった(図表-2)。と言っても2010年のOECD加盟国の平均失業率よりも低い水準である。 韓

    韓国の失業率は本当に低いのか?
  • デフレ期の成長企業がサービス業の生産性に与えた影響 -なぜ均質で高水準のサービスが社会を疲弊させるのか-

    ■要旨 世界の中で日だけがデフレに長く苦しんできた。しかしそうした経済環境の中でも、売上を伸ばし雇用を増やしてきた成長企業、成長セクターは存在する。稿ではそうした企業を抽出して、特徴を調べた。その結果、デフレ期の成長企業はIT関連か消費サービス関連であり、独自性のあるサービスを掘り起こしたり、ITを活用し規模の経済も含めて価格競争力を高めたりした企業群であることがわかった。 つぎに成長企業が多く属する消費サービス・セクターの労働生産性に焦点を当てて実証分析を行った。労働生産性の産業間の比較・評価には慎重であるべきだが、サービス業は平均的に製造業よりも労働生産性が低いという通説を確認した。一方で、サービス業であっても平均的製造業よりも生産性の高い企業も存在することも明らかになった。つまりサービス業の問題点は、生産性の高い企業と低い企業が混在することにある。 日のデフレの原因の一つとして

    デフレ期の成長企業がサービス業の生産性に与えた影響 -なぜ均質で高水準のサービスが社会を疲弊させるのか-
  • ニッセイ基礎研究所 2月マネー統計 ~マネー供給量が実質過去最高を連続更新 flash12_182.pdf

    ■見出し ・貸出動向: 順調に増加 ・マネタリーベース: 実質的に2ヵ月連続で過去最高を更新 ・マネーストック: 通貨量の増勢が顕著に ■introduction 日銀が3月8日に発表した2月の貸出・資金吸収動向等によると、銀行貸出(平残)の伸び率は前年比1.9%(前月は同1.6%)と、4ヵ月連続で上昇した。伸び率の水準は09年8月以来の水準となる。電力会社向けやM&A資金が伸びた模様で、銀行貸出は順調に増加している。 業態別の内訳では、地銀(第2地銀を含む)が前年比2.6%(前月は2.5%)、都銀等が同1.1%(前月改定値は0.6%)と、都銀の伸び率拡大が著しい。地銀・都銀の両輪が揃いつつあることが、ここ数ヶ月の銀行貸出の加速に繋がっている。 都銀・地銀の貸出シェアを見ると、従来長きにわたって地銀のシェア拡大が続いていたが、最近は都銀がやや巻き戻す展開になっている(図表1~4)。 なお、

    ニッセイ基礎研究所 2月マネー統計 ~マネー供給量が実質過去最高を連続更新 flash12_182.pdf
    neco22b
    neco22b 2013/03/12
    「まだトレンドとまでは言い切れないが、日銀の資金供給量であるマネタリーベースの増加が、銀 行貸出の増加を通じて市中通貨量の増加に繋がりつつあるようだ」
  • わが道を行くスイスフラン~無制限介入がもたらした光と影

    ■見出し 1――無制限介入という大胆な挑戦 2――成果の検証 3――副作用の検証 4――おわりに~今後の注目点と円高問題への教訓 ■introduction 2011年9月6日、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行(以下、「SNB」)は、為替市場への“無制限介入”を発表した。内容としては、スイスフラン(以下「フラン」)の対ユーロ為替について、1ユーロ=1.2スイスフランという上限を設け、フラン売りユーロ買いの無制限介入を通じてこのラインを死守する(これ以上のフラン高は許さない)というものだ(図表1)。 新興国、発展途上国の中には資規制を引き、常時為替介入を行うことで特定通貨に自国通貨の為替レートをペッグする固定相場制を採用している国も多々存在するが、スイスの場合は、片側かつ上限を設けただけで固定化はしていないという点で、固定相場制とは異なる。 一方、単なる為替介入とも大きく異なる。日

    わが道を行くスイスフラン~無制限介入がもたらした光と影
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