前回、絵を描く喜びを得るにはどうしたら良いのか、という点を描きました。それは、ある程度の手間と創意工夫の余地を残しつつ、いろいろな助けを活用することでした。 ところが対照的に、絵を描く喜びをことごとく奪い去ってしまうものがあるといいます。 それは、神話にちなんで、「シーシュポス条件」(sisyphic condition)と呼ばれています。絵を描く場合だけでなく、創作活動全般に関わる用語です。 作家アルベール・カミュは、シーシュポスの神話 (新潮文庫) で、シーシュポスの物語について説明しています。 神々がシーシュポスに課した刑罰は、休みなく石をころがして、ある山の頂まで運び上げるというものであったが、ひとたび山頂にまで達すると、岩はそれ自体の重さでいつも転がり落ちてしまうのであった。 無益で希望のない労働ほど恐ろしい懲罰はないと神々が考えたのは、たしかにいくらかはもっともなことであった。
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