奈良市の奈良国立博物館で開催中の「第65回正倉院展」にあわせ、県内の寺社が寺宝を特別公開している。正倉院展に出展されている宝物の複製品もあり、見比べる楽しみがある。 奈良市にある聖武天皇の妻、光明皇后創建の尼寺・法華寺では、正倉院展に出展されている香をたく仏具「漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)」の複製品を11日まで、皇后の姿を写したと伝わる本尊「十一面観音立像(りゅうぞう)」(平安時代、国宝)の前で公開している。 公開は3年ぶり。複製品は2010年、皇后の1250年御遠忌(ごおんき)にあわせ、前住職久我高照(くがこうしょう)さんの発願で作られた。ハスの花びらをかたどった「蓮弁(れんべん)」には、花喰鳥(はなくいどり)や獅子などが極彩色で描かれており、参拝者が目をこらして見入っている。 同市の主婦田中真美さん(67)は「鮮やかな色遣いと繊細な作りに、思わず見とれました。正倉院展で展示され