後の抗日闘争の母体となる初期抗日運動の展開 1910年の韓国併合で大韓帝国は日本に併合され、以降35年間続く「日帝強占期」が始まるわけですが、その間程度の差はあれ朝鮮人の日本への抵抗運動は続いていました。 その抵抗の物語が現在の韓国と北朝鮮の建国神話となり、政権の正統性を語る上で重要なファクターになっています。フィクションも多いのですが、あくまで建国神話なのでそれでいいのです。 今回は朝鮮が日本に併合される1910年までの、初期の抗日運動の展開と抵抗の文脈の変遷を辿っていきたいと思います。 1. 「西洋や倭と結ぶのは亡国の道」 1-1. 開国反対論の展開 朝鮮の抗日運動の始まりの歴史は開国前から始まっていました。 1868年12月、対馬藩が朝鮮政府に「新政府樹立」を伝える書簡を渡したのですが、その中に「皇」「勅」の文字があることを理由に、朝鮮側は交渉自体を頓挫させてしまった。 その後187