筆者が数日間、各店に密着し、古本屋の仕事を記録する古本屋の仕事日記。有名どころから街場の店まで、1カ月に1軒、1年間をかけて東京の古本屋12軒の風景をたどります。 1月27日(水曜) 明け方に雨が降ったせいか、地面はまだ少し濡れている。10時40分、北澤一郎さんはビルの入り口に立て看板を出す。開店時刻は11時だけれども、今日は早めに店に着いたのだという。2階にあるお店の入り口には、本が積み上げられている。 「ビルの屋上に物置があって、そこから本を下ろしているところなんです」と一郎さん。「来週の市場に出す本を用意しようと思ったんだけど、本を移動させるのがキツくなって、最近は人にお願いしてるんです。こういうのも古本屋の大事な仕事なんですけど、10年前に背骨の大きい病気をしてからはもうしょうがないってことで、体力がある人を雇ってます」 店内には妻の惠子さんと、長女の里佳さんの姿もある。店内には音
筆者が数日間、各店に密着し、古本屋の仕事を記録する古本屋の仕事日記。有名どころから街場の店まで、1カ月に1軒、1年間をかけて東京の古本屋12軒の風景をたどります。 10月15日(木曜) 北海道では初冠雪が観測されたと、朝のテレビが報じている。関東地方にも冷たい空気が流れ込んで、週末にかけて秋が深まるというので、久しぶりにスプリングコートを引っ張り出して街に出る。夏はあっという間に通り過ぎてしまった。 午前11時、「古書ビビビ」のシャッターはすでに上がっている。開店まで1時間あるけれど、中を覗くと、店主の馬場幸治さんが掃除機をかけているところだ。 「前は開店10分前とかにきてたんですけど、最近は早めにくるようになったんです」と馬場さん。「5、6年前に売り上げがじわじわ落ちてきた時期があって、『このままじゃまずい』と。早く店に着いたからって、どうっていうわけじゃないんですけど、11時までには店
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