過去7大会のワールドカップ(W杯)でわずか1勝しかできなかったラグビー日本代表(21敗2分け)がイングランド大会で、その歴史を変えた。 初戦で強豪・南アフリカを逆転サヨナラトライで撃破。スコットランド戦こそ落としたものの、サモアと米国を蹴散らした。「世紀の番狂わせ」と言われた戦いぶりは、世界のラグビーファンをのけぞらせ、数多くの日本人を興奮と感動の渦に巻き込んだ。 腕ずくで勝利をたぐり寄せたのはもちろん選手たちだが、その指揮をとったのは鬼才とでも表現するしかないエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)。もうひとつ見逃せないのが、エディーがヘッドハンティングし、その分身として代表チームを磨き上げていったコーチたちの存在だ。 そのうちの一人に、日本代表メンバーをメンタル面から支え続けた荒木香織(42)がいる。むくつけき男たちの中の紅一点、スポーツ心理学が専門の兵庫県立大学准教授だ。イングラン