「さしたる注目を集めることなく、いま驚くべきことが起こっている。第一に、働き手のうち唖然とするほど多くの者が、現に働いている組織の正社員ではなくなった。第二に、ますます多くの企業が、雇用と人事の業務をアウトソーシングし、正社員のことさえマネジメントしなくなった。流れが変わる気配はない。むしろ加速している」(『ネクスト・ソサエティ』) 雇用と人事は費用がかかるだけではない。時間と手間を要求する。 圧倒的に多くのマネジメント、特に中小企業のマネジメントが、製品とサービス、顧客と市場、品質と流通という業績向上のための時間がないとこぼす。本業の仕事ではなく、雇用関係の規制という問題に取り組まされている。 これが今日世界中の先進国に共通する傾向だとドラッカーは言う。 しかも規制が要求する費用と労力のほかにも、人材派遣会社と雇用業務代行会社の成長を促す要因がある。知識労働の特性、特に知識労働者