◎ 大学学部より程度の悪い大学院がいくらでもある現状 ◎ 【学校法人全体:大学経営のためにある大学学部や大学院】 ① 日本の大学院の存在意義 『朝日新聞』2011年8月12日朝刊は,特集記事「定員満たせぬ大学院 理高文低・私立の博士課程は4割」を掲載していた。議論の対象が右側にかかげた「大学院の定員充足率」の棒グラフで示されているので,これをさきに参考にしておこう。 大学院の「定員割れは,修士,博士課程ともに文系中心に珍しくない。そんな大学院の実態が朝日新聞社と河合塾の『ひらく 日本の大学』調査で分かった。大学院生が定員に対しゼロの大学も地方の私立では少なくない。大学院の制度的な揺らぎが裏づけられた」。 朝日新聞社が学校法人「河合塾」教育研究開発本部の協力で今春,国公私の全759大学を対象に実施した。562大学から回答があり,回収率は74%。データを学部・学科,学生規模,地域,国公私別など