「コンピューターの性能は18か月ごとに指数関数的に上昇する」。1965年にインテルの創業者の一人であるゴードン・ムーアが書いた論文の中にあったグラフは「ムーアの法則」として、今日までコンピュータ業界の指標となっている。そのインテルのインサイドストーリーを描いた『インテル 世界で最も重要な会社の産業史』が出版された。訳者で元日経ビジネス記者の土方奈美さんが、本書の読みどころを紹介する。(HONZ編集部) 私の父とインテルには浅からぬ縁がある。 1995年秋、日本の大手電機メーカーで働いていた父は「チップウィスパー」というオーディオプレーヤーを考案した。記憶媒体に当時主流であった磁気ディスクではなくフラッシュメモリを使い、携帯性を高めたのが特徴だ。 インテルに最先端の32メガビット・フラッシュメモリの提供を打診したところ「製造が安定していないので、100個集めるのも難しい」との反応だった。だが
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