(2009年3月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 米国の深夜番組のコメディアン、ジョン・スチュワート氏は、テレビ株式評論家ジム・クレイマー氏とのインタビューで、こう言った。「75歳の私の母は、長期投資こそが正しい選択だという考えを信じ込んだ。で、結局どうなったと思いますか?」 「うまくいかなかったんですね」とクレイマー氏。 今月、スチュワート氏が番組のゲストのクレイマー氏に恥をかかせた、今やすっかり有名になったこのインタビューは、米国文化の歴史にその名を刻んだ。スチュワート氏は、株を信じろと言われて育ち、その信仰が間違っていたことに裏切られたと感じている多くの米国人の心情をはっきり代弁したからだ。 こうした信仰の喪失は、個人投資家を超えて広がっている。株価暴落を受け、プロの投資家や学者も近代金融の論理基盤を疑うことを余儀なくされた。投資業界の最も基本的な仮説と、業界が顧客に