公務員宿舎朝霞住宅の建設現場を視察し、記者の質問に答える野田首相=3日午前10時30分、埼玉県朝霞市(代表撮影) 早いもので「公務員」を廃業して7年目に入った。27年間の役人時代に比べればまだ駆け出しだが、最近「非役人」の生活にも慣れてきた。それにしても、よくまあ筆者に「霞が関」が務まったものだ。ご迷惑をかけた諸先輩、同僚、特に後輩たちには深く感謝している。 現役の役人時代と今とで最も見方が変わったのが「公務員批判」だ。大学の同期が民間企業でいかに高給をもらおうと知ったことではないが、なぜか役人の給料や待遇には特別に敏感になる。納税者に公務員を「養っている」という意識が強いからだろうか。 現役時代は「公務員だって税金は払っている」と思っていたが、実は払っている以上に貰(もら)ってもいる。こんな納税者の気持ちも廃業して初めて分かった。役人諸君、世の中はあなたたちが考えるほど甘いところではない