東京電力福島第1原発の事故収束作業に作業員を違法派遣した容疑で暴力団組員が逮捕された事件で、組員が直接取引した「ひ孫請け」の会社だけでなく、その上の「孫請け」の建設会社にも取引を求める連絡を取っていたことが27日、福島県警への取材で分かった。暴力団と、下請け構造が重層的につながる建設業界との癒着の根深さが浮かび上がった形だ。 福島県警の捜査関係者によると、労働者派遣法違反(建設業務への労働者派遣)容疑で逮捕された指定暴力団住吉会系4次団体幹部、大和田誠容疑者(33)が連絡を取ったのは、栃木県の孫請け会社。 第1原発の事故が起きた昨年3月以降、大和田容疑者は電話で全国の建設会社に「俺のところを使ってくれ」と求めたところ、応じた同社が作業員の派遣を要請。ひ孫請けにあたる建設会社(福島県いわき市)の所属と偽装した組員らを派遣したという。