東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市の石巻工業港で、大型船が入港できる水深を確保するためのしゅんせつ工事が終了し、27日、約5万トンを積んだ石炭船が工事終了後初めて入港した。 工事は10月9〜29日に実施。海底の土砂約6万6000立方メートルをすくい上げ、水深13メートルを確保し、船の積載量制限は解除されていた。 この日入港したのは、パナマ船籍の「ダイナクレーン」(最大積載量5万5705トン)。搬入した石炭は、主に日本製紙石巻工場の燃料などとして使う。 船を出迎えた亀山紘市長は「震災前のようにスムーズに大型船が入ってくる環境が整った。地元経済の活性化を期待したい」と述べた。 震災後は同港に大型船が入港する場合、一部を別の港で荷揚げするなどして積載量を調整していた。今後は一度に搬入が可能となり、県の試算では年間約1億6000万円の輸送コストを縮減できる。 同港は2012年度