富士と生きる:世界文化遺産候補の風景/1 「信仰の山」今も 人々に元気と力与え(その1) /山梨 毎日新聞 1月1日(日)14時46分配信 早ければ13年夏にも世界文化遺産に登録される富士山。今年は正念場の年だ。夏から秋には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)による現地調査が行われる。政府が昨年、ユネスコに出した暫定推薦書では、富士山は「信仰の対象」「芸術の源泉」と記され、世界に向けて日本文化の象徴と位置づけられた。かつては噴火する恐ろしい山、現代は観光の山。富士山麓(さんろく)に生きてきた人たちを取材した。 ◇「御師」を継ぎ神事守る−−「筒屋」20代当主・小澤輝展さん 信仰を色濃く残しているのが、富士吉田市上吉田の国道139号両側に広がる「御師(おし)街」だ。御師は古くから、富士山に登拝する「富士講」道者たちのために祈とうをし、自宅を宿泊所とし