能美市福島町の自宅で09年、弟(当時30歳)を包丁で刺して殺害したとして殺人罪に問われた、姉の無職、水上三奈子被告(34)の裁判員裁判が11日、金沢地裁(神坂尚裁判長)で始まった。弁護側が「殺人罪が成立しない」などと主張する県内では初の無罪主張の裁判員裁判。選出された男性4人、女性2人の裁判員は、難しい判断が迫られそうだ。14日に結審し、18日に判決が言い渡される。【宮本翔平】 検察側冒頭陳述によると、水上被告は、仕事もせずに家族に暴力を振るうこともあった弟にうっ憤を募らせていた。09年9月22日、暴れる弟から水上被告が包丁を奪ったが、通報しようとした母親に弟が殴りかかろうとしたため、水上被告がこれまでのうっ憤を爆発させ、殺意を持って弟の背後から包丁(刃渡り25・5センチ)で1回突き刺し、出血性ショック死させた、とされる。 水上被告は起訴内容について「母の命が危ないと思い、守ろうと思っ