勤務先の病院患者から通帳などを預かり、預金約8700円を着服したとして業務上横領罪に問われた、金沢市御所町、元病院事務職員、東清美被告(50)に対し、金沢地裁は29日、懲役4年(求刑懲役7年)の判決を言い渡した。辛島靖崇裁判官は「立場を悪用した背信性の高い犯行。被害額は多額で刑事責任は重く、服役は免れない」として弁護側が求めた執行猶予を認めなかった。 判決によると、東被告は05年1月〜11年5月、当時勤めていた病院の入院患者から、預金通帳やキャッシュカードを預かり、無断で約8700万円を引き出すなどして着服した。 辛島裁判官は、東被告の長女には精神に不安定な面があり、買い物を繰り返す性癖があったため、ブランド品を買い与えたとして「1人で長女を世話し、苦悩していた被告の状況は、同情の余地がある」と述べた。また、患者に被害を弁済した当時の勤務先病院との間で、示談が成立したことなど情状を酌量