東レは11日、膜の表面加工技術を向上させ、改良した人工腎臓の新製品「フィルトライザーNF」を4月から医療機関に販売すると発表した。 人工腎臓は透析治療に用いられ、血液を体外に循環させて、血液の尿毒素などを取り除き、浄化する。東レが用いる人工腎臓は、「PMMA(ポリメチルメタクリレート)」と呼ばれる膜を用いており、このPMMA膜は従来、尿毒素を吸着して取り除く仕組みだった。 その一方で、この膜の表面に血小板内にある固まりやすいタンパク質が付着してしまうと、それが血栓などになり、動脈硬化につながることもあるため、その付着の抑制が課題となっていた。 今回、こうした凝固性のタンパク質である「フィブリノーゲン」の付着を、PMMA膜の加工により低減した。尿毒素の吸着性などは維持したという。 4月から100%子会社の東レ・メディカル(千葉県浦安市)を通じて、本格的な販売を開始する。