スマートフォンのスケジュール帳に入力した派遣日を確認する横浜市の男性。予定が埋まると安心感があるという=中島和哉撮影 安倍晋三政権は「失業なき雇用の流動化」を掲げ、雇用政策の見直しを加速化させている。労働関連の規制を「岩盤」とみなし、打ち破ればより多くの人が仕事に就けるようになるという。ただその一方で、「安上がりの労働者を増やす」「正社員の座がますます遠のく」といった懸念も出ている。【中島和哉、東海林智、佐藤丈一】 【リアル30’s】「正社員登用の可能性あり」期待も…ここに希望はある? 日雇いの登録型派遣で働く横浜市の男性(33)は昨年暮れ、東京都内の商業施設で商品を補充する仕事をしていてふと、将来への不安に襲われた。常用派遣で毎日この職場に来ているという10歳年上の男性が「ずっとこの現場というわけにはいかない」とつぶやくのを耳にしたからだ。 大学時代はアパレルや飲食業界への就職を目指