北海道、北陸など各地で整備新幹線の建設が進む中、40年前に国の計画に盛り込まれながら、お蔵入りとなっていた大分・宮崎両県を走る新幹線の計画が、にわかに浮上してきた。両県は、2011年に全線開通した九州新幹線鹿児島ルート(博多ー鹿児島中央)から外れた「東九州」に位置する。脚光を浴びる鹿児島ルート沿線の熊本、鹿児島両県と比べ、どうしても地味な印象がぬぐえない両県が、ついに声を上げ始めた。果たして両県悲願の東九州新幹線は、日の目を見る時が来るのだろうか。 国土交通省によると、大分、宮崎を通る「東九州新幹線」の計画ができたのは1973年にさかのぼる。全国新幹線鉄道整備法に基づき、当時の運輸大臣が「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」の中に盛り込んだのが始まり。その基本計画によると、東九州新幹線の起点は福岡市。そこから「大分市付近」「宮崎市付近」をへて、終点の鹿児島市に至る、という経路