新日鉄住金名古屋製鉄所(愛知県東海市)で3日に爆発事故が発生したことを受け、今年に入り5回もの事故を起こした同製鉄所の安全管理体制に不信感が広がっている。同製鉄所はトヨタ自動車向けの最重要拠点だが、高炉など主要設備は休止し、再稼働のめどはたっていない。自動車メーカーの生産に影響が出る恐れもある。 同製鉄所では今年に入って4回、停電などのトラブルが発生、それに伴い大量の黒煙が生じ、付近住民に不安が広がっていた。石炭の貯蔵施設周辺で発生した今回の爆発事故は、これまでのトラブルとは異なる。ただ、同製鉄所は発足から50年を超え、老朽化が一連の事故の一因との見方は少なくない。日本鉄鋼連盟の林田英治会長は「(国内の多くの高炉が)建設から40〜50年経過し、想定していなかった不具合が出ているのは事実」と指摘。リストラや団塊世代の大量退職などで、熟練技術者が減少しているためとの見方もある。 新日鉄住金