(ブルームバーグ):中国が主導するアジアインフラ銀行(AIIB)の創設メンバーが計57か国となることが確定した。中国の存在感を世界中に見せつける結果となり、AIIBへの参加を見送った日米はアジアでの影響力を維持するため、環太平洋連携協定(TPP)交渉の前進を迫られる構図となっている。 日本国際問題研究所の高木誠一郎研究顧問は13日の電話取材に対し、英国なども参加するAIIBをめぐる一連の動向から、同盟国に対する米国の抑えがそれほど大きくないことが分かった、と指摘。TPPについては「単純な経済問題ではなく、安全保障や戦後の国際秩序に関わる問題」と述べ、「妥結できない限り、中国の影響力拡大と米国の影響力縮小という印象は正されない」と語った。 日米やベトナムなど12カ国が交渉しているTPPは参加国間の関税撤廃のほか、知的財産の保護や国有企業改革などを含めた共通ルールの整備を掲げており、中国は参加