大林組は8日、水処理施設など土木工事に強みを持つカナダの中堅建設会社ケナイダンを買収したと発表した。発行済み株式の51%を7日付で取得した。買収額は非公表。残る49%は同社創業者と従業員が継続保有する。ケナイダンの2010年の売上高は2億600万カナダドル(約170億円)。既に大林組は同社と共同でカナダ・トロント市の鉄道関連工事に参加。予定される最大200億円規模の本工事への参画に向けて連携を強化する一方、買収をテコに北米地域での受注拡大を目指す。大林組は規制の厳しい中国からの撤退を決める一方、工事代金の未回収リスクが低い先進国で受注を伸ばしたい考え。 【関連記事】 大林組、中国撤退“英断” 規制でこりごり、対中戦略に一石 竹中、体験型研修施設を公開 わざと模型に施工ミス盛り込む 大手ゼネコン、中国になびかず、規制足かせで大林組は撤退 建設市場「薄日」も前途多難 11年度国内投資