産総研の研究チームが仮定した貞観地震の震源域と周辺で起きた過去の宮城県沖地震の震源域(産総研の図を基に2010年5月作成) 東京電力福島第1原発の深刻な事故原因となった大津波を伴う巨大地震について、09年の経済産業省の審議会で、約1100年前に起きた地震の解析から再来の可能性を指摘されていたことが分かった。東電は「十分な情報がない」と対策を先送りし、今回の事故も「想定外の津波」と釈明している。専門家の指摘を軽んじたことが前例のない事故の引き金になった可能性があり、早期対応を促さなかった国の姿勢も問われそうだ。 【巨大地図で把握する】東日本大震災の被害全容 09年6月、原発の耐震指針の改定を受け、電力会社が実施した耐震性再評価の中間報告書案を検討する審議会。869年に宮城県沖で発生したマグニチュード8以上とみられる「貞観(じょうがん)地震」を、岡村行信委員(産業技術総合研究所活断層・地震
東日本巨大地震による大津波で壊滅的な被害を受けた岩手県宮古市で、愛犬に命を助けられた女性がいる。 津波襲来までの30分間、愛犬は興奮した様子で女性を高台にぐんぐん引っ張り、安全な避難所に導いた。 女性は、海岸から約200メートルの同市田老川向(たろうかわむかい)に住んでいた赤沼タミさん(83)。メスのシーズー犬「バブ」と自宅の居間でくつろいでいるときに地震に襲われた。蛍光灯が消えると、バブはせわしなく走り回り、尾を強く振って鼻をクンクン鳴らしたという。 赤沼さんが「散歩の時間にはまだ早いのに」と思いながら、玄関先で首にリードをつけていると、防災無線が大津波警報の発令を知らせていた。 田老地区で900人以上の死者・行方不明者が出た1933年の昭和三陸地震を体験した赤沼さんが「避難しなきゃ」と玄関を開けると、バブも勢いよく飛び出し、いつもの散歩コースと逆の高台へ向かった。 赤沼さんの
福島第1原発事故の後、福島県から栃木県那須町に避難している中高校生2人が26日、地元の那須中学吹奏楽部のコンサートに参加し、一緒に演奏した。会場の那須町文化センターはほぼ満席、立ち見が出るほどの盛況だった。 2人は福島県立相馬東高2年の杉琴美さん(17)=南相馬市=と、いわき市立平第三中1年の草野泰治君(13)=いわき市=。 きっかけは、琴美さんが避難所の掲示板に書いた一言だった。「オーボエ吹けます」。掲示板を見た泰治君の母百合子さん(46)が「うちの子も楽器をやっている。演奏会を開けないか」と教育委員会に相談。ボランティアらの協力で2人は22日夜に初めて顔を合わせ、那須中の生徒らと練習を始めた。 コンサートで琴美さんはオーボエを、泰治君はピアノを担当し、「ライオンキング」など4曲を披露。演奏後、「うまくできた? 」と問われると、琴美さんは恥ずかしそうにうなずいた。 琴美さんは中2
東日本大震災で危機的状況が続く東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)では26日、3号機のタービン建屋地下の水たまりで24日に作業員3人が被ばくした事故を受け、1〜4号機のタービン建屋地下にある放射性物質を含む水たまりの排水作業に着手した。 経済産業省原子力安全・保安院は、水には半減期が8日と短い放射性ヨウ素131が多く含まれることから、タービン建屋に隣接する原子炉建屋にある原子炉から漏れた可能性が高いとの見方を示した。 【関連記事】 【東日本大震災特集】トップページ 〔写真特集〕東北地方太平洋沖地震 〔用語解説〕「放射性物質」 〔用語解説〕「原子炉格納容器」 東電、5月の電気料金値上げへ=燃料高で3カ月連続
緊迫した状況が続く東京電力福島第1原子力発電所から約45キロの距離にある福島県相馬市の立谷秀清市長(59)が、東日本大震災の発生以来中断していたメールマガジンの配信を再開した。放射能への不安が市民に広がっていることを伝える一方、地震と津波で犠牲になった市民や消防団員への「償い」として郷土の再建を約束。「市民とともにこの相馬市を離れるつもりはない」とつづり、見えない恐怖におびえる市民の不安を払拭するように、復興に向けた決意を示した。 再開したメルマガ3月24日号のタイトルは「ろう城」。相馬市は大きな被害を受けたが、原発の事故で一部が避難指示や屋内退避圏内となった隣町、南相馬市からの避難民を受け入れている。メルマガではそうした動きを目の当たりにした市民たちの間に「遠くに逃げ出そうという気分が広がっていった」とつづる。 しかし、文面に弱音や救いを求める声はない。「米と味噌(みそ)と梅干しが
東日本大震災以降の原子力発電所の放射能漏れや計画停電、余震などによる不安の高まりから被災地や首都圏を離れ、西日本で“避難出産”する妊婦が増えている。厚生労働省は各都道府県に被災地の妊婦受け入れを求める通知をしており、関西の助産所や病院では受け入れ態勢の整備に本格的に取り組み始めている。(北村理、有川真理) 神戸市東灘区の毛利助産所(毛利多恵子所長)では震災以降、関東方面から2人の予約があるという。東京都大田区在住の女性(32)は第1子を同助産所で産む予定で、宮城県内の実家も被災したことから親戚の住む関西での出産を決めたという。 女性は「臨月での移動は大変でしたが、受け入れてくれる助産所があって一安心です」。毛利所長は「安心して出産できる環境を整えることが大切。できる限り力になりたい」と話す。 東京都内の浄水場から乳児向けの暫定基準値を超える放射性物質が検出されるなど子育てをめぐる環境
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く