元プロボクサーという異色の経歴を持つ医師川島実さん(37)が1日、宮城県気仙沼市立本吉病院の院長に就任した。東日本大震災で常勤医が不在になった同院の苦境を見かねて、この数カ月ボランティアで診療に来ていたが、「腰を据え、地域の患者を助けたい」と熱血漢ぶりを発揮。被災地医療の“リング”に上がった。 川島さんは1日午前、院内で菅原茂市長から院長の辞令を受け取った。ミーティングでは看護師らスタッフに「まだまだ粗削りな医者なので、厳しく育ててほしい」とあいさつ。その後、風邪や高血圧の症状を訴える10人ほどの外来患者の診療に当たった。 奈良市出身。京都大医学部時代、ボクシングにのめり込んだ。アマでの戦績は10勝9敗。1998年11月、在学中にプロテストに合格し、「京大医学部プロボクサー」として話題を集めた。 滑り出しは順調だった。同年12月のデビュー戦は引き分けだったが、99年4月の2戦目は1回