自らの軟骨細胞を体外で培養する「自家培養軟骨」の製造・販売が、今年7月、厚生労働省の認可を受けた。早ければ来春にも、スポーツによる軟骨損傷などを対象に、治療が広く行われるようになる見込みだ。 ■高い安全性 スポーツ外傷治療など 来春以降にも 軟骨は、膝などの関節内の骨と骨の間にあり、骨同士がぶつかるのを防ぐクッションの役割を果たしている。 骨折しても再びつながる骨と違い、軟骨は一度損傷すると戻らない。軟骨には血液も神経も通っておらず、傷を治すために有効な細胞が少ないためだ。 損傷が小さければ、影響の少ない場所の骨と軟骨をごく小さく切り取り、軟骨が欠けた部分にはめ込む方法がある。ただし損傷が4平方センチ・メートル以上と大きい場合は、有効な治療法がなかった。 スウェーデンの研究者は1994年、損傷部に骨膜を縫いつけ、体外で培養した液状の軟骨細胞を注入する方法を発表したが、縫い目から細