【モスクワ=副島英樹】ウクライナ最高検は18日、職権乱用罪で禁錮7年の判決を受けて服役中の野党指導者、ユリア・チモシェンコ前首相(52)について、1996年に同国で起きた実業家射殺事件を首謀したとして殺人の罪で起訴した。前首相側は事件への関与を否定している。 ノーボスチ通信などによると、プションカ検事総長は同日、「最高で終身刑の可能性がある」と発言。専門家の中には、欧米からの支持を受けるチモシェンコ氏の名誉失墜を狙った司法闘争が始まった、との見方もある。 問題の殺人事件は、エネルギー事業に携わっていたチモシェンコ氏が政治家に転身した96年に発生。東部ドネツクの空港で実業家兼国会議員のシェルバニ氏が妻とともに射殺された。同氏の息子が昨年4月、チモシェンコ氏の関与を示しているとする文書を捜査当局に提出していた。