2010年の国勢調査をめぐり、市への昇格をめざしていた愛知県東浦(ひがしうら)町で居住実態のない調査票が大量に見つかった問題で、県警は22日、意図的に人口を水増しした疑いが強まったとして、前副町長の無職荻須(おぎす)英夫容疑者(63)を統計法違反などの容疑で逮捕する。すでに逮捕状を取っている。今後、荻須容疑者の指示で調査票を偽造したとして町幹部らも共犯容疑で書類送検する方針。捜査関係者が明らかにした。 問題発覚後の昨年3月、町は「故意ではない」として、幹部らを減給などの処分にして幕引きを図った。県警は、人口が市制移行に必要な「5万人」を上回るよう、町執行部ぐるみで「水増し工作」をしたと判断。総務省の告発がないまま異例の強制捜査に踏み切る。 捜査関係者によると、荻須容疑者はこれまでの任意の調べに「指示はしていない」と容疑を否認しているという。