【カイロ秋山信一】中東の民主化運動「アラブの春」で独裁政権が倒れたエジプトが、財政立て直しに苦慮している。国際社会は、財政支援の条件として食料品や燃料の補助金削減を要求。しかし、補助金を削減すれば物価上昇を招き、政府への反発が強まる可能性もあり「第2の革命」を懸念する声も出ている。 【エジプト民主化混乱に気球事故が追い打ち】 「軽油を自宅に買いだめすると、火災を起こす危険が高いのでやめるように」。エジプト政府は3月、異例の声明を出して国民に注意を呼びかけた。エジプトでは1月以降、軽油の供給不足が続き、ガソリンスタンドの前にトラックやバスの車列が目立つようになった。緊急時に備えて、ポリタンクに軽油を入れて持ち帰る客も多い。20リットルあたり、30ポンド(約410円)の軽油が、闇市場では50〜60ポンドで取引されている。 供給不足の背景には、政府の財政悪化がある。ムバラク前政権時代から政府