東京・上野公園周辺のマンションなどで野生のウミネコが繁殖している。都市部での繁殖は世界でも珍しい。フンなどに苦情も多く、台東区が対策に乗り出したが、専門家からは「共存を目指すべきだ」との声も上がる。 【フン害、子育てサギに渋い顔も】 同区台東3の高層マンション屋上。数羽が乱舞し、管理人の男性は「多い時は70羽ほどいた。早朝から鳴き声がうるさく、高層階ではベランダにフンが落ちるから洗濯物を干せない」と嘆く。 カモメ科のウミネコは東アジアの沿岸地域に生息。繁殖期には離島など人の居住地域から離れて暮らすのが一般的だ。上野にすみついたのはなぜか。樋口広芳・慶応大学特任教授(鳥類学)によると、1990年代に上野動物園が保護して放した一部が園に戻り、不忍池(しのばずのいけ)で繁殖したのが起源とされる。さらに東日本大震災の津波で東北沿岸の繁殖地が流され、一部が飛来した可能性が高いという。 台東区が