北京の政府機関で働く中国共産党幹部の間で、にわかサッカーファンが急増している。長く付き合っている党機関紙の編集者は、昨年まではサッカーのサの字も口にしたことがなかったが、今はイングランド・プレミアリーグの試合を深夜に起きてテレビ観戦するほど。最近、党幹部同士の酒の席で、人事の次に重要な話題がサッカーになりつつあると証言する人もいる。 昨年秋の政権交代で、最高指導者となった習近平国家主席がサッカーに深い愛着をもっていることが原因だ。上司の趣味に合わせることは中国共産党の古い伝統であり、1980年代にトウ小平の影響で党幹部の間でトランプのブリッジが大流行したことがあった。昨年までは胡錦濤前主席が好きだった卓球を趣味とする幹部が多かった。 習主席は先日、外遊先のインドネシアで地元記者に対し、15日に行われる予定のアジアカップ予選、中国−インドネシア戦について「見応えのあるすばらしい試合を期待