昨年5月21日の金環日食を今も鮮明に覚えている方も多いでしょうが、11月3日夜(日本時間)に、北大西洋からアフリカにかけて「金環皆既日食」が起こります。これは、一度の日食の中で、金環日食と皆既日食の双方が現れるため、ハイブリッド日食とも呼ばれ、今回は05年4月以来です。 発生のメカニズム そもそも日食は、月が太陽の前を横切ることによって起きる現象ですが、これは太陽と月の見かけの大きさが偶然にも同じだったために見られるもので、月が隠す割合によって「部分日食」「金環日食」「皆既日食」となります。金環日食と皆既日食の違いが生じるのは、地球の太陽に対する軌道が完全な円ではないことと、月の軌道が楕円であることが関係していて、月の見た目の大きさが変わってくるためです。 月の影が地球に映る状態を宇宙側から見た場合、地上が皆既日食になる完全に太陽の光を隠す場所はとても狭く帯状の範囲(=中心食帯)になってい