国際都市を標榜する東京都で、その歴代知事が国際的に評価されたという話は浅学にして聞いたことがない。猪瀬直樹前知事というと「石原慎太郎元知事の作品」であり、「石原氏の忠実な生徒」という印象を抱く。石原氏は、欧米では民族差別や女性差別発言で警戒され、軽蔑もされている国家主義者という評価もある。 アメリカの政府要人が彼と会いたがらないのも、それが背景にある。猪瀬氏の国際常識からずれた発言は、その石原氏の小型版のようだった。少し例を挙げてみる。 かつて石原氏は、大阪枚方市の式典に招かれた際、招待されていたウィーン市長の前で“ヨーロッパから学ぶものはない”と無知丸出しの挨拶をして、枚方市の関係者をあわてさせた。 一方の猪瀬氏は、ニューヨークで地元の新聞記者の取材を受け、トルコ・イスタンブールに関し、イスラムは“喧嘩ばかりしている”とか、トルコには“階級がある“などと無知に基づいた差別的と受け取