鉄と比べて重さは5分の1なのに約5倍の強度を持つ次世代の繊維「ナノセルロース」の実用化に向けて、国内の製紙会社や自動車会社、化学メーカーなど約100社が結集することになった。 自動車部品や建材、人工血管まで幅広い分野での活用を目指す。木材などから作るため、環境にも優しいとされるエコ素材だけに、政府も成長戦略の一環として支援していく。 ナノセルロースは、間伐材や稲わらなど、これまであまり使い道がなかったものを有効活用する点に特徴がある。航空機の胴体などに使われ、燃費の向上につながっている「炭素繊維」と同じように、強くて軽い素材でありながら、石油などから作る炭素繊維よりも、森林が多い日本にとっては有望な素材といえる。