エボラ出血熱に感染した疑いが出ていた東京都の60代男性は、国立感染症研究所での検査で「陰性」だと分かった。ただ、男性は検疫所による「健康監視」の対象になっていたのに、指導を守らずに近所の診療所に行ったり、一時所在不明状態になるなど、「感染拡大の危険もあった」(関係者)という。防疫態勢の盲点が改めて浮き彫りになってきた。 エボラ出血熱の流行地域である西アフリカ・リベリアに滞在し、帰国後に発熱した60代男性について、厚労省は8日、エボラウイルスは検出されなかったと発表した。男性は搬送先の国立国際医療研究センター(新宿区)で細菌感染による「いん頭炎」と診断されていた。 最悪の事態は免れたが、安心してはいられない。今回の騒動によって、防疫態勢に大きな課題が残っていることが判明したからだ。 男性はビジネス目的でリベリアに渡航し、4日に東京・羽田空港に帰国した。微熱があったため、検疫所による「健