不必要な転院の即時中止と退院などを求め、東京都足立区内の病院に入院している無職男性(59)が生活保護機関の流山市を指導するように国と千葉県に要望書を出したことが3日、関係者への取材で分かった。生活保護受給者が短期間で頻繁に入退院を繰り返させられるケースは「ぐるぐる病院」と呼ばれ、国が実態把握に乗り出している。男性は5年間で20回以上転院させられている。 「ぐるぐる病院」をめぐっては、8月、総務省が実態把握と改善を厚労省に勧告。生活保護受給者の医療費は保護費から支出され、受給者に負担は生じない。一方、病院側は入院が長期化すると診療報酬が下がる仕組みになっているため、たびたびの転院は高額の医療費目的との指摘もある。 要望書などによると、男性は2007年10月、全身の筋力が低下する病気を発症し、都内の大学病院に入院した。当初の病状は深刻だったが、次第に回復し、09年1月、流山市内の病院に転院