【ニューヨーク時事】広島に原爆を投下した米軍B29爆撃機「エノラ・ゲイ」の12人の搭乗員中、唯一存命だったセオドア・バン・カーク氏が28日、米南部ジョージア州の高齢者施設で老衰のため死去した。93歳だった。米紙ニューヨーク・タイムズなどが29日伝えた。 長崎に原爆を投下した「ボックスカー」の搭乗員も既に全員が死去しており、核攻撃に直接携わった人物はいなくなった。 エノラ・ゲイでは航法士として操縦士に広島への針路を示すなどの役割を担った。 ニューヨーク・タイムズによると、同氏は後に、原爆投下の是非について「絶対に降伏しない、敗北を受け入れないとされていた敵と戦っていた。倫理性と戦争を同じ文章の中で語るのは実に困難だ」と語っている。46年に退役後は民間企業の幹部などを務めた。