福岡大と慶応大の研究チームは、難治性てんかんの一つ「ドラベ症候群」の患者から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作って変化させた神経細胞で、機能が低下していることを確認した。iPS細胞を使い、てんかんの機能低下を再現したのは世界初といい、治療法の開発などに役立つと期待される。論文は2日付の英医学誌モレキュラー・ブレーン電子版に掲載される。 ドラベ症候群は2万〜4万人に1人の割合で発症する。重度の発作があり、知的障害や運動障害を伴う。マウスを使った研究では、脳の電気活動を抑える神経細胞の働きに影響を与える遺伝子「SCN1A」に異常が見つかっているが、ヒトの神経細胞で直接確認することは難しかった。 福岡大小児科の日暮憲道研究員(現東京慈恵医科大助教)らは、ドラベ症候群患者の皮膚からiPS細胞を作製し、神経細胞に分化させた。この細胞にSCN1Aが働くと蛍光を発するたんぱく質を組み込み、SCN1