ラットが仲間に危険を伝える際に分泌される2種類のフェロモンを特定することに、東京大などの研究チームが初めて成功した。嗅覚を使ったコミュニケーションの仕組みの解明や、ネズミなどの害獣駆除に応用が期待される。論文は15日付の米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。 昔から「一度ネズミが掛かったネズミ捕り器には二度と掛からない」と言われてきたが、その理由は解明されていなかった。 東大大学院農学生命科学研究科の武内ゆかり准教授らは、ラットが危険を感じた際に肛門付近から発するさまざまな匂い分子を分析。ラットにかがせて反応を見ることで、どの分子が「危険」の情報を伝えているかを調べた。 その結果、4メチルペンタナールとヘキサナールと呼ばれる二つの分子が、フェロモンとして機能していることが判明。どちらか一つでは機能せず、二つそろって初めて機能することも分かった。 武内准教授は「一つの物質で反射的