富士通は、現役のコンピューターとしては世界最古の同社製「FACOM(ファコム)―128B」を、延命させるプロジェクトを発足させた。1959年製で、畳40畳分の大きさだが、計算速度は電卓並みとしている。コンピューター・メーカーとしての技術や信頼性の象徴として、「還暦」を迎える2019年まで寿命を延ばすという。 128Bは、国産旅客機「YS―11」の尾翼設計などに使われた国産初の商用コンピューター「FACOM―128A」の機能強化版として、1958年に1号機が製造された。 現存するのは日本大学理工学部で使用されていた59年製のもので、76年に富士通沼津工場に移設された。演算装置や記憶装置など21台をつなぎ、8ケタの足し算、引き算に平均0・15秒かかるという。 長年、保守を担当した社員3人のうち、最後の1人が昨年6月に定年退職。3人が現役社員に修理保全技術を伝承し、回路図などを電子データ化するな