15日、拉致されてから40年が経過した横田めぐみさん(53)=拉致当時(13)=は北朝鮮で「招待所」という施設に収容され、外部と遮断された。その逆境の中にあっためぐみさんが招待所で「君が代」を歌っていたという証言がある。拉致から7年後の1984(昭和59)年ごろのことだ。 「どんな思いで歌ったのか…。『自分は日本人だ。祖国は日本なんだ』と叫ぶような気持ちだったのでしょう」。母、早紀江さん(81)は悲しげに語る。 早紀江さんはかつて、来日した大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元北朝鮮工作員からこのいきさつを聞いた。「めぐみさんが住む招待所に、ある人と行ったときの出来事でした」。金元工作員と同行したのは、めぐみさんがかつて日本語を教育した別の女工作員、「金淑姫(キム・スッキ)」だった。久々の再会は気まずかった。 「何か歌いましょう」。その雰囲気を嫌っためぐみさんが心を込めて歌