中国製冷凍ギョーザによる中毒事件が日本で発覚してから30日で1年を迎える。毒物の混入は製造元の国有企業「天洋食品」(河北省石家荘市)の工場内で起きた可能性が高いとみられるが、捜査は遅々として進んでいない。この事件はその後の日中関係に大きな影響を与えたのみならず、中国政府や消費者に食の安全に対する意識の変化をもたらすきっかけにもなった。(北京 矢板明夫) ◇◇ 旧正月(26日)を控えた23日、河北省の省都、石家荘市南部にある天洋食品の工場を訪ねた。事件直後に生産停止となった工場は正門が閉ざされ、ひっそりと静まりかえっていた。「進取、効率、貢献」のスローガンは依然、工場内部に掲げられているが、建物のガラス窓と同じようにひどく汚れており、長い間掃除されないまま放置されていることがうかがえる。 元従業員の男性(45)によると、約800人いた従業員は昨年3月ごろにほとんど解雇された。公安当局の捜査に