ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)は1月、地球から30億km以上離れた小惑星「カリクロー」を取り巻く輪を観測したばかりだが、これに続き、太陽系内の別の天体にも輪があることが分かったとする研究論文が8日、科学誌ネイチャーに掲載された。 この天体は、2002年に発見された「クワオアー(Quaoar)」。直径約1100km(冥王星のおよそ半分)の準惑星候補で、海王星の彼方、遠く冷たいカイパーベルト領域で太陽を周回し、「ウェイウォット」という名前の小さな衛星を持つ。 他の天体を取り巻く輪と異なり、クワオアーの輪は中心天体から遠く離れているため、惑星科学者たちを困惑させている。輪が存在するためには、物質が凝集して衛星を形成するのを防ぐ潮汐力が必要であるため、天体の近くにしかないと考えられていたからだ。クワオアーと輪との距離は、それまで可能と考えられていた距離の2倍だった。 クワオアーを取り巻