数年前、鹿児島県奄美諸島の加計呂麻島(かけろまじま)で、体調50センチから60センチのワニが発見されて話題になった。いかに地球温暖化が進んでいるとはいえ、日本にワニが生息しているとは思えないが、それは果たして本当だろうか。 神話に登場するワニの正体は 8世紀に編纂されたとされる『古事記』の中に「因幡の白ウサギ(稲羽の素兎)」という章がある。大黒さまが出てくる有名な話で、隠岐の島からワニを並べて渡ってきたウサギがワニに皮を剥がれてしまい、大黒さまがウサギを治療してあげたという内容だ。 この話に出てくるワニについては、本当のワニなのかサメ(フカ)なのか、日本史学で長く議論されてきた。実は古事記に限らず、日本の古い書物にはワニがよく出てくる(※1)。 この議論に関係するのは、大化の改新の前の古代大和朝廷時代に応神天皇以降の7ないし8天皇の后を輩出した和珥(ワニ。和邇、丸邇などとも)氏という勢力だ
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